イオンの農業参入記事より


イオン流農業の秘密

一昨日、日経ビジネスにこんな記事がFacebookに載っていました。

あのイオンが、まじめに農業を考えてる・・・
皆さん、さあどうでしょう?

安く仕入れて安く売る。農産物の販売がそれだけでは済まない事態にあることを知っている人は多いが、慣習を破る企業は多くない。イオンは一歩踏み出している。農業を手掛け、農を知ることから始めている。
business.nikkeibp.co.jp へのリンクをさせて頂いております。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140423/263370/?ST=smart

実は私がこの投稿をシェアしたのは、イオンも変わって来たのかな?真面目に商売を見直し、今迄とは違う共存共栄を模索してる兆しかな、という意味で紹介しました。

新聞等でご存知の様に、イオンの売上は店舗拡大で若干は増えていますが、今四半期の利益は1/10の大幅減になりました。 今迄の大規模店の全国展開による、全国津々浦々、同じ洋服を着せて、同じ時間に同じ物を食べさせるという、量販ビジネスモデルが急激に揺らいで来ているものと思われます。

私が首都圏でやってきた物流の世界でも、色んなメーカーが、この全国展開で挫折したり、潰れて来た経緯も見て来ました。
トップバリューという全国同一価格の商品があります。 確かにこの商品を取り扱うと、全国の店舗すべてに商品を置いて貰えるので、販売量は確保できます。 しかし、配送費用を含めた商品価格は、全国一律なのです、北海道でも沖縄でも。
ある豆腐メーカー、納豆メーカーは悲惨でした。 この為に工場を新設して販売開始し、確かに売上は数十倍になりましたが、利益は大幅な赤字、諦めて撤退し、工場を畳み、潰れる寸前迄行ったケースもありました。
さて、そのメーカーですが、当初の計算では儲かる筈でしたが、特売等での生産量・配送量の大幅な変動でのコストアップ、全国各店舗からのクレームや、一個でも商品切れの場合には緊急に航空便使用、しかも担当者が納品やクレーム処理の為に、現地まで飛んで行かなければなりませんでした。
このような、メーカーや、地域の商店との共存を一切考慮しない事業形態が長年ずっと続いて来たのです。

最近、イオンが農業分野に進出したという記事を読み、今回も同様なやり方で、圧倒的な力で、農業制圧をするのかと思っていた時に、日経ビジネスに、この記事が出ました。

このイオンアグリの社長の話では、土地は農家の所有のままで、地元の労働力を活用し、その他に、契約農家からの仕入れも行い、今迄一度も考慮した事も無かった、農家の原価計算をして、適正な利益を得られる、持続可能な農業との共存を狙うとの事が書いてあります。
こういう安定した形態の方が都合が良い農家はこれを活用し、高品質化、差別化を狙う農家は、高級路線を取る自由も出てきそうですし、その併用でも可能にすれば、住み分け出来そうにも思えます。しかもイオンの強みは、販売網を全国各地に持っている事です。つまり生産したり仕入れた産物はすべて売り先が確保されているのです。
これなら、突然の販売中止の恐れも少ないし、企業の潰れるリスクも少なそうです。

そうです、販売サイドからの、6次産業化の試みなのです。

現在の全国画一的な展開を変更して、地域の強みを活かし、地元との共存を図った継続的商売を狙うとしたら、地域も企業にも、大きな強みになって来るかもしれません。
勿論、実際には経営者や、株主の意向が働き、そのままには行かないとしても、こういう動きは、今迄とは真逆であり、今迄のビジネスモデルとの決別かもしれません。
又、都市部や地方の中心都市でも、シニア向けのイオンの小規模店舗の動きも加速している様です。 地域密着化して、地元と共存出来る様なビジネスであれば、今後、注視していく事も必要かもしれませんね。
(長くなりました。あ~ぁ疲れた!)