八ヶ岳「赤岳」山歩き(その2)

7/20(木)〜21(金)山岳部:カネヤン

  

行者小屋

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20日・初日、雨との悪戦苦闘とキーマカレーとナンに大騒ぎ。ーーその2ーー


3:30  雨後の対策が終わり、いよいよ、昼食兼用の夕食の準備、だ。(雨後の後始末記は夜遅くまで続く  
      が、省略)
      まず、小屋前のテーブル確保作戦から始まる。といっても、材料とコンロ、器具などの荷物を持って
      空きそうなテーブルを探す。先に男2人組がいた。テーブルの上は十分空いている。そこに荷物を置
      く。
      
      彼らの話を聞くと、今から目の前に立ちはだかる絶壁にも見える岩肌、その垂直に切り立った岩肌の
      頂上、その稜線にへばりつくように見える赤岳展望荘まで登る、という。見上げる、そう文字通り行
      者小屋からはそうしなければならないくらい。
      一時間半あれば十分ですよ、とこともなく言う。今登ってきたのにまだ登る気か、と一瞬驚く。

      この行者小屋についてなんどなく見上げた稜線。なんど見上げてもこの岩肌のどこに登山道があるん
      だろうか、どうやって登るのだろう、素人のわれわれに登れるのだろうか、と自問した。高い山、本
      格的な山は初めてという澄子さんと真理子さんの二人も一緒だ。脳裏には磐梯山のあの爆裂火口の崩
      れそうな垂直の壁が思い出される。あそこでも同じ思いがした。が、経験者ばかりじゃなく未熟なた
      くさんの人々でさえ登れている、無理さえしなければ、集中力を欠きさえしなければ、などなど自分
      に言い聞かせること数度。ま、何とかなる。いつもの楽観主義が出てくる。と、また、見上げてみ
      る、そして、また、、。

      そうこうしてうちに、彼らが出発。
      その瞬間、夕食モードのあたまに変わる。

      いよいよ、我々は今回の山行きのメインイベントのひとつ「ナンとキーマカレーのディナー」の準備
      に着手。
      文子さんとトンチャン2人以外は皆初めての「ナンとキーマカレーセット」、何が出てくるか楽しみ。
      コンロは慎とカネヤンが用意した2つ。カネヤン持参のものは新調したばかり。

      小屋の前には手先が痺れるような冷たい湧き水に冷やされたビール類が用意されている。
      誰もが飛びつきそう、な雰囲気。
      勿論、ゴリケン、慎、トンチャン達は到着するなり、ビールをゴクリ!
      美味い!!との叫びが聞こえてきそうだった。特別料金だったんだろうが、いくらだったのかな?
      食事時にはいつものワインがトンチャンからだされた。

      「カレーとナン」が出される。カレーはレトルト。ナンは各人3枚、インド料理屋で見るものと大きさ
      でも遜色がない。そのままでも食べられる、というがもう一度焼いて食べよう、となった。
      ひとつのコンロはカレーを湯煎する準備。もう一つはスープ用にお湯をわかす。
      火力が強い。
      すぐにJAL御用達のコンソメスープが配られる。
      ナンはコンロに網を置いて焼くが結構うまく焼けていく。

      早速、口に入れる。ウマイ!!
      カレーの辛さ、結構辛いようだが気にならない。香辛料が効いている。焦げ目の付いたナン、これま  
      た美味くできている。ワイワイ言いながら食べ始める。
      トンチャンが出してきたのは蒸し鶏、ザーサイに白髪ネギを混ぜ、ごま油風味のサラダ風仕上げをし
      たものと豚しゃぶ肉の梅肉合え。それぞれ美味い。あっという間になくなる。慎一郎一人、鶏肉を無  
      視する!!この味を知らずして一生を終えるのか、と思うと可哀想な気がする、ネ。(取り分が少な
      くなって良かった、との声も)
      澄子さんは丸ごとキュウリとトマト。文子さんはセロリ、大根、人参、キュウリの野菜スティック、
      味噌ネーズ。果物は真理子さんのプラム。

      それぞれに満足し、満腹になってきた。
      小屋前では下から登ってきた人たちが到着する度に賑やかになる。全部で4つしかないテーブルの一角  
      でこんなことが行われているなんて、皆驚いたことだろう。
      まだまだ陽が高いが少し曇り気味のせいで日差しも強くない。風は適当に吹いている。コンロの火が
      流されることはない。雨の心配は全くない。

      小屋の周りでは10数張りのテントが設営されている。ここは水が豊富、使い放題なので最高の場所だ
      ろう。
      次第に陽が落ちて行く。見上げる山の稜線の輝きは今ひとつ、だった。
      最後にコーヒーを飲んで小屋に入る。

5:30 小屋の中の5号室が我々の根城。
      寝る準備には余りにも早すぎる。なにせ、まだ、5時。
      濡れた物の片づけは続くが、適当に布団を敷くと、ゴリケンは少しづつ居眠りの世界に。寒気がす
      る、ともいう。今までと同じ症状。飲んだワインの量は今回は少ないはずだが、やはり高地には向か
      ない体質かもしれないね。それとも、雨で濡れたせいか。
      周囲の騒ぎをよそに一人隅っこでまるくなった。
      続いてトンチャンが、、。

      他の人たちは相変わらず元気。
      疲れた、という女性陣に元気なカネヤンがマッサージ。明日は元気に歩くだろう、との願いを込め
      て。
      残ったミカンを食べ、廊下でコーヒーを飲み、なんてしていうるうちに、そろそろ寝ようよ、との
      声。
      外はまだ薄暗い、程度。
      冷たい水で歯を磨き、天を見上げるが雲があり、星も今ひとつ。幻想的な夕焼けと満天の星空には出
      会えなかった。

      部屋では少しづつ就寝モード。
      いつの間にか皆のいびきが聞こえはじめた。
      暑かった!皆、それぞれにねぐるしさで何度なく目を覚ましたようだ。


つづく、翌日はいよいよ、赤岳への登頂だ!天気、まったく心配ない!

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