黄葉の浅草岳でクロケンと再会

1999/10/24  長岡出稼ぎ特派員  ゴリケン

イントロ
この休み、小田やんからは会津のうまい店への誘いもあったが、仕事が終わってからでは、遠方で時間が合いそうもない。
(小田やん!奥さんとのデイトタイムを空けてくれたのにスマン!) クロケンさんも前々からの予定で、山登りに行き不在だという。 残念ながら会津行きはあきらめ、一人でブラット紅葉を眺めてこようと思っていたら前日、クロケンさんから再メイル。
なんと長岡から1時間弱の所にある、浅草岳に行くとのこと。 
クロケン本人は今回の計画は他人任せで、まさか長岡の近くに行くとは思ってなかったようで、お互いが近くにいる事が分り ずうずうしくクロケンさんの山行きに合流しようとなった! またまた、いきあたりバッタビの偶然だ。


新潟県奥の入広瀬村へ
23日夜19時25分 仕事が遅くなりやっと工場出発。 20時までに民宿に入り食事の予定だったが、工場からは 約65kmのみちのりだ。 大幅遅刻だ、21時までに到着できるか?  シェルのスタンドでガソリンを入れる。 19時45分、やっと長岡を脱出、体を休日モードにセットする。

ひとまず、長岡北西にある栃尾市(ジャンボ油揚げで有名)に進路を取る。 道は適度に空いており、快調に行程を消化。  山道にかかり長いトンネル(5km位?)を抜けると栃尾市の標識だ。 時間は20時。  残り35kmの山道を只見方面に向かう。 1時間遅れになりそうだが飯は食えるかな? ひたすら山道を飛ばす。  これからルート290号線に入る。 例のごとく地図はないが大体の方向を大きな地図で見当つけてあるので成り行きで進む。  かなり狭い急な山道にさしかかる。 これではかなり遅れそうだ。 峠を越えるといい道に変わり、かなり飛ばせる。  漆黒のくねくね山道をぶっ飛ばして、会津若松に抜ける252号線を左折。 ここからは良い道だ。 ハイペースで飛ばし「入広瀬村」 に到着。 この先の只見線「大白川駅」を左折。 民宿「休場」を発見、到着20時23分だ。 車もほとんどなくハイペースで、道も間違えず無事到着。

民宿の若おかみが出迎える。 ちゃんと飯は用意してある。なんと「きのこづくし」の夕食だ。 茸の酢の物、おひたし、煮物、きのこ鍋、きのこ汁、きのこご飯、山菜と茸の天ぷら、山女の塩焼、イノブタの味噌焼、その他いろいろ数えたら全13品の大ご馳走だ。 茸はカロリーゼロだがそれでもこれだけ食べればカロリーオーバーだ。 さすがにご飯までは食べきれず。 2割位残す。 大満腹!  さて、21時過ぎだが近くの宿にクロケンを表敬訪問だ。 10分ほどで到着。 部屋を教えてもらい、ドアをノックするが応答なし。 2?3分してねむけ眼のクロケンが顔をだし、再会を喜び合う。 眠そうなので早々に明日8時の待ち合わせを確認して宿に戻る。 11時頃、小生も就寝。


浅草岳へ
10月24日(日)6時半に目覚める。 寒い! 障子を開くと窓は寒さで曇っている。 天気は? 谷間には霧が出ているが、良くなりそうだ! 出発の準備をして7時朝食。 ご飯、味噌汁、海苔、納豆、ハムエッグ、鮭の焼物、お浸しの和食。 ごはんは魚沼産のコシヒカリを固めに炊いたもの。 噛み締めるとジワッと甘さがにじんできてウマイ。 若おかみにコンビニの場所を聞くが、近くにはないそうだ。 昼食のおにぎりを頼むと、快く作ってくれた。 お勘定を頼むと、昨夜のビールとおにぎりをいれて7500円だそうだ。 安い! おかみにジュースをもらい、宿を辞し、クロケンの待つサングリーンプラザに向かう。

ホテルでは皆食事を終わった頃、クロケンが遠くで手を振っている。 総勢11名に紹介され挨拶をする。 皆、きさくないい人達だ。
8:15、ワンボックスカー2台に分乗しネズミモチ登山口に向かい出発。  途中、美しい渓谷を通り、やや紅葉した林を抜け林道を走る。 30分ほどで登山口駐車場へ。 なんと満車だ。 大型バスが中央にデンと駐車している。 さらに奥に進み、やっと路肩に駐車する。 一同下車後、1台はこの先の下山口にデポするため隊長さん(星サン)達はさらに奥に進む。

全員そろって挨拶。 女性陣は3名、通称「おねーさん」「ミホさん」「?さん」、男性は8名だが星隊長以外は当然名前は一度では覚えられない。  ドロドロの山道をネズミモチ登山口より8:45頃出発。 ブナのやや黄葉した林の中を渓流沿いに登り始めるが、この1月の缶詰デスクワークがたたり、早くも息切れ状態だ。 他のみんなはヒョイヒョイと岩を駆け登る。 それでもなんとか遅れないようについていくが、基礎体力の差は大きいようだ。 もうだめだと思う頃にやっと小休止。 お茶を飲み一息つく。
女性陣はにぎやかで笑いが絶えることがない。  いわゆる東北弁だが、なんとも愛敬のある言葉で、ずうずう弁とは違った、明るい楽しい訛りだ。リンゴをもらってエネルギーを補給して出発。

20分ほどで尾根筋への鎖場の急登を超え、見晴らしの良い開けた場所に到着、5分の休止。 ここからの展望は素晴らしく、下界一面が緑、さまざまな黄色、チラット紅色もはいった、一面のブナや楓の森だ。 昨年、八ヶ岳の中山峠から見た八千穂方面のグラデーションのような景色を思い出す。 今年はちょっぴり紅色が少ないのが残念。

さて、はるか上に見え隠れする山頂に向かい出発。 ちょっとガスッてきた。 天気予報では快晴のはずだが山の天気はあてにならない。 会津組は、前日、隣にある「守門岳」に登ってきたが、朝は雨にたたられ1日中ガスの中の山行きだったらしく、今日初めて山容を遠望したと嬉しそう。

さて、尾根筋からあと半分の急登が始まる。 息は少し楽になってきたが足の筋肉が弱っているのか、だんだん足が上がらなくなってきた。 約1時間弱の登りでは、誰も休もうと言い出さない。 黙々と登り続けるとやっと頂上付近の湿原に到着。 10時半頃か?
2つのピークに挟まれた鞍部よりの景色は最高だ。 近くには芝紅葉の一面の草原、まじかにみえる浅草岳山頂はかろうじて紅葉が少しと黄色に彩られている。
鞍部の草原を杢道をたどって進むが、泥で杢道がツルツル滑って危ない。 2ー3人滑って尻餅をついている。 慎重に足元を固め、やっと山頂直下の池塘のある草原に昼食の場所を確保する。 荷物を置いて山頂に全員で向かう。

50m位登り、標高1、585mの浅草岳山頂だ。 みんなで証拠の記念撮影。
ここから会津方面が一望のもとに見渡せる、直下には田子倉湖の全景が見え遊覧船が白い航跡を残しているのが見える。 絶景だ!
遠くには会津の山々、奥只見方面まで遠望できる。 山頂の反対側は、はるか日本海方面、南は巻機山が見える。 至福のひとときだ。
ひとしきり皆興奮して写真を撮ったり山を探したり楽しんだ。
ところがこの山頂の南斜面に行くと、日が当たりポカポカのひなたぼっこ状態で昼食中の人がたむろしている。
さっき場所を確保した所は、吹きさらしで寒々とした場所だ。 失敗した!と星隊長。 しかし又下って登り返す元気はない。 吹きっさらしの草原で昼食だ!

小生は民宿で作ってもらったおにぎり弁当。 みんなはカップラーメン、フランスパン、お雑煮、お汁粉、うどん、スパゲッティ等様々だ。 みんなで分け合って、赤ワインまで出てくる。 本格コーヒー、お茶、果物等、物量は豊富だ。 大騒ぎの昼食タイム、皆、お腹いっぱいだ。 突然、近くでキャッー、ズボッと言う声と音が。 カメラを構えていた女性が、後ずさりして「池塘」に落ちた音だ。
地塘というのは湿原の中の水の噴出穴でかなり深いので危険だ。 膝までドロドロになって可哀相だ。 きっと下りは足が冷たくなって寒いだろうなと同情。
突然クロケンさんが「イケネッー」と声を上げ、やおらポータブルハムを取り出す。 最近、ハムの免許を取って山頂よりの交信にハマっているそうだ。 新潟近辺の山よりいろんな声が飛び込んでくる。 面白そうだが、免許まで取ってやるのはめんどくさいな。  なかなか割り込めないみたいだが、やっと交信できたようだ。  ゆっくり休んで12時半になり、そろそろ下山準備。 やっと晴れ間が出てきて遠くの山々も姿を見せてきた。 暖かくなったので元気いっぱいだ。

下山は登りのネズミモチコースを右に分けて、なだらかな尾根筋の快適な道をアップダウンしながら下る。  景色はモ?ッ最高! 左手には遠くに燧ヶ岳の2つのピーク、日光白根、カッツンの登ってる男体山は見えないが、上州武尊、等一望の下に見渡せる。 すぐ手前には鬼ケ面という絶壁の山のすさまじい様相がはっきり見える。 
30分程景色を満喫したあと、ノンビリと尾根を下る。  途中、黄色の葉っぱのトンネルを通ったり、きのこ狩りの名人の?子さんはブナの廃木毎に立ち止まる。1時間ほどで下山、林道に出る。 先におりた人が車をとってくる間、ゆったり休息。 1台の車にすし詰めで駐車場に向かう。 今日の登山は満足のうちに終了!

近くの洞窟展望風呂に全員で向かう。 脱衣所から裸のままで延々とトンネルを行くと洞窟っぽい風呂があった。 ぬるめのお湯が気持ちいい。 しかし、露天風呂もなく、洞窟というのは途中のトンネルの事かと、皆がっかり。
それでも、さっぱりして、湯上がりのビールを一杯!  う?んウマイ!

途中、車を置いたホテルまで車で送ってもらい、会津のみなさんにゴアイサツ。 ほんとに今日は楽しかった! 会津での再会を誓い、みんなと別れる。 ちょっぴり寂しい気分だが、明日からの仕事に備え、又、長岡に向かう。
こんどはユックリユックリと。(途中、大渋滞で更にユックリになる)

----------- 新潟・福島県境の浅草岳登山記  完 ---------

不明な点や、写真はクロケンより報告あるでしょう。  ゴリケン

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